水曜の朝、午前三時 / 蓮見圭一

この小説を二度読んだけど、どうしても好きになれない。
この小説家は好きなのだ。文体やセンスは。
それでもなぜだか、直美に愛着が持てないのである。

どうして臼井さんを選ばなかったの。
とても大好きな気持ちを隠してなぜ彼を裏切ったの。
時代とか背景とか分からない。
ましてやそういう概念をあなたは打ち壊し続けてきたと思っていた。
かっこわるい。ださい。偽善者。
それなのに死に際にはみんなから愛されて悲しまれてずるい。
あなたは恨まれ続けるべきなのよ。
そして憎まれ続けるべきなのよ。
自分自身を許しちゃいけない。
自分の犯した罪を一生背負って苦しんでいかなきゃいけない。
自分に甘い。かっこわるい。

センスは好きなのだ。この小説の。
とくに音楽センスは抜群だ!
ところどころ嫌味のない程度に挿入されていて、
それがいちいちあたしを喜ばす。

さんざん直美を罵ってしまったけれど、
果してあたしはどうだろうか。
どこまで親を裏切れるだろうか。
どこまでこの気持ちを貫けるのだろうか。
何を以てあたしの幸せと呼ぶべきか。
もうわかんない。わかんない。

だから今日もウィスキーに逃げる。
直美のように。
ソファに寝そべって。
直美のように。
お気に入りのレコードを聴きながら。
直美のように。

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