
これもまたすごい勢いで読了してしまった。
分厚い本で、しかも作者が持論を述べようとしている場合には、
読む際にある程度のスピードが必要なのかもしれない。
とりあえず一回目で論をすべて理解する必要はないから、
大まかにどのような敬意で述べられているのか、とか、
論そのものの構造を理解する必要があるのかもしれない。
あたしは今までそれができてなかったから、
論の構造というものを一切理解できていなかったので、
先生にいつも注意されていたのだろうなあ。
これは論になっていません。
もっとたくさんの論文を読んで慣れ親しみなさい。って。
で、今回は必要に駆られて大急ぎでこの本を読んだけど、
たしかに章立てしてあって、章ごとに異なった視点から安吾について述べていて、
なるほどーそういう意見もあるのねーとか
(特に和歌の善し悪しはあたしにはどう考えても分からない)、
いろいろ学ぶ事は多かったのだけど、
肝心な結末が、うやむやにすべてをひっくるめて受け入れよう、
めちゃくちゃなところもあり、矛盾もあるが、それが安吾だ、みたいな
なんともゆるーい感じに仕上がっていて、オチなしでちょっとがっかり、みたいな感じ。
最後の方の章にあった、安吾は「異邦人」なのだ、という
フレーズにピーンときて、カミュの『異邦人』と安吾を比較しようとした。
二人とも同年代を生きているし、安吾はフランス文学が大好きだし。
でもどのように比較するというのか!
カミュと安吾はもちろん共通点も多いが、まったく正反対なところも多い。
そういうふうに相反するものをどちらも肯定するのは、
どうしても絶対ねじ伏せ的な論になってしまうのだろう。
ムルソーと安吾を比較しようとしたが、
二人は本当に正反対の人間なのだ。
光と陰。たとえば安吾はママンが死んだら間違いなく泣くだろう。
彼は日常を、この世界を愛したのだ、とても無垢に。
だから、あーだめだーとなって、比較論はやめた。
レポートを書くために、もう少し掘り下げて読もう。
それが終われば春休み。
あたしは自由になる。


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