すみれの花の砂糖づけ / 江國香織

この詩集が好きなのは知ってた。
だって、間違いないもの。

すぐに読めちゃうことも知ってた。
そしてちゃんと知ってた。
たくさん入ってる詩の中で
本当のお気に入りは一握りだということも。

昔読んでポストイットを付けていたものも
読み流してしまったりする。
そうしてさらにふるい落とされて
残った詩は本物のお気に入り。

それにしても江國香織の描写する風景は
あたしの中にするすると入ってきて
そのままちゃっかりと居座ってしまうので
2回目に読むのだという気がしない。
新鮮味がないくらい、普通なのである。
初めて読んだ時から、日常なのである。

「犬と猫」は好き。
ゲロの話。かわいい。
「願い」は究極ですな。
お風呂で読みながら、そうそう、と泣いてしまった。
あたしの心をまるごと代弁してくれてるみたいだ。
何度も何度も あなたとしたい、というフレーズが大好き。
「無題」はもう心の中で何度繰り返したことか。

どっちみち
百年たてば
誰もいない
あたしもあなたも
あのひとも

これをつぶやくと、気が楽になるのよ。
幸せなことも、それが消えていくことも、たいしたことない気がするの。
百年後にはなんにもないもんなーあ、って。

「時間」もいいね。

時間は敵だ
ときが経てば傷はいやされる
せっかくつけてもらった
傷なのに

うーん。いい。

詩というのは、スカスカで、見た目の通り、余白ばっかりで
そこに何を見るか、そこから何を感じるか、というのが大事だと思うので、
あんまり解説なんて付けるもんじゃないと思うけどな。
そうやって詩と並んで文字にされてしまうと、
そっちに誘導されてしまう、というか。

でも、上の4つは特にお気に入り。

公園で、あなたと2人で向かい合って座って、という描写も好きだ。
情景がありありと目前に浮かぶ。
でも詩としてはあんまり。
お風呂のあたしの斜め後ろが、っていうのも、すごくよく分かるけどね。

まあ終わってしまった恋の思い出。

コメント

タイトルとURLをコピーしました