対話篇 / 金城一紀

これは決してライヴの前に読むべきではないなあ。
まあ良いライヴが出来たから良いのだけども。

それにしても、同じ本を二度読むというのは実におもしろい。
中島らもなんかはけっこう覚えている。
エッセイのオチなんかも思い出しちゃって最初から分かったりする。
一方で本当に内容忘れちゃって、あれーこういう話だっけ、とか、
本当に忘れちゃってて、まるで初めて読むときのようにドキドキしたり感動したり、とかする。
作家によってクセみたいなのもあるけど、読む側にもクセがあるんだろうな。
どういう話があたしの頭に刻み付けられやすいのか、とか、考えてる。
なかなか定義するのは難しいね。
まあ自分が好きなものは自分が一番良く分かってる。

話が逸れましたが。
この本の場合、「恋愛小説」は、あーまーたしかにこんな感じ、という感じ。
「永遠の円環」は、自分でもびっくりするくらい覚えてなくて、
え?初めて読むっけ?みたいな。印象的な場面だけ覚えてたけどね。
全体的にのっぺりしてるし、あんまり話題も好きじゃない。
ただ、「花」がやばい。
初めて読んだ時にも泣きそうになった(あるいは泣いた)ことはしっかり覚えている。
3つの話の中でも圧倒的にウエイトが大きいし、
最後にふさわしい作品だと思った。
話の筋は簡単だった。内容はうっすら覚えている感じ。
結末も、分かってはいたんだ、話の目的、という意味では。
でも、まあ、あんなに涙が込み上げてくるとは。
本当に新鮮でピュアな涙を流した。
たぶん初めて読んだときとまったくおんなじ場所で。

不思議だな。
こういう恋愛小説を読むとき、あたしは自分に当てはめて考える。
江國香織の「赤い長靴」みたいに全く当てはまらない場合は
完全に他人の話として読めるのだけど、大抵の場合、
ヒロインはあたしでヒーローは意中の彼を思い浮かべる。
この小説を初めて読んだときと、2回目に読む今日、
あたしは違う男の子を思い浮かべていた。
これって不思議。
どちらもリアルなんだけど。

ああでも最近吉本ばななの「ムーンライト…」とか読んだり
実際にあっちゃんとしばらく一緒に過ごしてそしてまた離ればなれみたいなことをしているから
こういう話がすごい身に染みるのだ。
究極には、死んでほしくない、生きていてくれるだけで幸せだ、と思うけど。
でも、この「花」みたいに、愛する人の手を決して離してはいけない、なんて言われると、どうしようって思う。
だって今、あたしたちの手、繋がっていないんだもん。
1つ目の話にも、好きな人とは一緒にいなくちゃ、一緒にいないときの相手は死んでいるようなものよ、なんて台詞があった。
わあ、どうしよう、死んじゃってる。
また、きゅんきゅんと、彼に会いたくなる。
本当はできることならいつだって一緒にいたいし、家の外でも中でも手を繋いでいたい。
本当にあたし、彼の手を離したくないな、と強く思った。
不思議よね。
前回読んだ時は、違う人を思い浮かべながら、まったく同じことを思ったのにね。

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