
本当に彼女の文体が好きだ。
感じが少なくて優しい。
言葉遣いもかわいい。
さらには思想も好きだ。
とてもとても人間らしい。
小林多喜二などが出てきたが、
つい最近読み直したあたしは
以前より深く理解している。
こういうのは嬉しい。
それにしても
『星の王子様』みたいに
読むたびに、そこにさしかかるたびに、
泣いてしまう場面がある。
「花の絵」の章。
松江のお母さんとユリの花のお弁当箱の話。
ママが言ってることもよく分かるし、
でも松江の気持ちも分かるし、
妹が出来て嬉しくて、
でもそれ以上にお弁当箱を買ってくれるって
約束してもらえたことが嬉しすぎて、
ちょっと数日かっこわるくてもガマンできるって、
それでもはちまきして顔を歪めてたお母さん思い出して、
気の弱い台詞思い出して、
あたしの心も同時に走り出していた、
高鳴る鼓動、おかあさん?
そしておそらく松江とおんなじくらい泣いた、
これは、いつもいつもいつも、そう。
もうわがままなんて言わないようにしよう、
お母さんを困らせたりせんとこう、って、
強く強く思うのに。
最近はしていないかな。
お母さんしんどがってても、なんにも言わないもんなあ。
やっぱり近くにいて支えてあげられるのが一番いいんだろうなあ。
思い出すだけでも悲しくて、
うわああーーーーーーんって泣いてしまう。
お母さん、おかあさん。
本当に、困難な時代だったんだなあ。
思うことも好き勝手言えないし、
言ったら言ったで警察にて拷問されて死ぬんだ。
息子は本気でお国の為に死ぬと信じ込んでいるし、
たしなめようとしたら、非国民だと言われて。
壷井栄の他の本、もっとたくさんたくさん読みたい!
旦那さんのも。
彼女についてもっともっと知りたい。
本当にこの小説は日本文学史が誇る名作なのだ。
無理矢理覚えさせられたタイトルや壺という漢字も
決して無駄じゃないし、日本人であるならば
知っていて当然なんだ。
なんでこんな美しくて悲しい小説を
あたしは去年になるまで知らなかったのだろう。
中学か、高校の教科書に載せるべきだ。
ぜったいに。


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