右岸 / 辻仁成

男目線と女目線でこんなにも違うものか!
『冷静と情熱の間に』の時も思ったけど。
そしてあたしはいつも江國香織のほうから読む。
つまり、女の子にはもう新しい男がいるのだ。
そしてそれが当然のものだとして読んでいくから、
後になって男心を知ると、唖然としてしまう。
そんなに思っていてくれてたの、という感じ。
女は切り替えが早い、とか、
過去の恋を引きずらない、とか言うけど、
本当にそうなのね。

九ちゃんは不器用で不格好なくらい
一途に茉莉ちゃんのことを想い続けて。
いつかうまくいけば絶対幸せになれるのに!!
と思いながら、切ない成り行きを見守らなくてはいけない。
九ちゃん目線では本当に茉莉がどうしているのか、
というのは分からないみたいだし、
でももう茉莉の人生を知っているこっちとしては、
この間にも茉莉にはいろいろあるんだよなーなんて思っている。
ところどころ2人の人生が交差するのがおもしろい。

茉莉の本を読んでいる時にも
土地の情景が想像できると書いたが、
九ちゃんの話でも、沖縄や北海道の風景が
ありありと浮かんできて、とても身近に感じた。

まあ、終わってしまえば、よく作り込まれた話だな。
という感じ。
いかにも小説やドラマみたい。
こんな人生絶対ありえないもの、という感じ。
でもそうかもしれないな、と思ったのは、
本当にみんないなくなって、最後にはひとりぼっちになっちゃうのかな。
その時、すべての人にお隣りさんがいるわけじゃないでしょう。

でもなんだか、運命なのにうまくいかない、
タイミングが合わない、ってことはよくあると思うんだ。
運命なのに、といいながら、そういうのはそういう運命でもある気がするんだけど。
ぼんやりと過去の男の人たちを思い出している。
そして現在の人。未来の人。
あたしたち人間は流れ流れて何所にいくのだろうね。
結局ひとりで死んでいくのにさ。

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