
花様年華(かようねんか)。
人生で最も美しい瞬間。
ウォン・カーウァイ監督、2001年の香港映画。
あんまり劇的なストーリーでもないし、セリフも多いわけではなくて、でも場面カットは多くて、独特の世界観。
1960年代の香港。
アパートの隣同士の部屋を間貸りして住み込んだ、2組みの夫婦。
お互いの相手が不倫をしていることに気付く二人。距離が縮まる。
女性のほうがしっかりしていて、「やましいことはしていない」「一線は超えていない」と、ちゃんと潔白でい続ける。
男性のほうは耐えきれなくなって、シンガポールへ。
「チケットがもう1枚取れたから一緒に来て」と「チケットがもう1枚取れたら連れてって」っていうのはすれ違ってしまったのだろうか。
離れ離れ。シンガポールでも接触しそうになるが、会わない。
電話もかけるが、話さない。そのまま。
カンボジアの遺跡で見つけた穴に秘密を吹き込み、そこに土で蓋をする。
植物の命が芽生えた。
カンボジアのシーンで不覚にも泣いてしまった。
両親と3人で行った家族旅行を思い出していた。
もうあんなこと、できないんだろうな。
どうして当時は当然のように受け入れて、街のど真ん中で親と喧嘩したり、大泣きしたりしていたのだろう。
私のバカ。
本当に大切でかけがえのない日々だったのに。
どうしてもっと大事に楽しめなかったんだろう。贅沢だ。
あんな旅行、海外なんてきっともう、絶対行けないんだ。
美しい思い出は悲しい。
どうかふたりがこんなに悲しんでいませんように。
忘れちゃったりあんまり大事に思っていないくらいでちょうど良い。
こんなに辛いのは、私だけで十分。
映画は良かった。
書斎に借りた部屋が2046で、そこで書き上げた話が『2046』という映画に繋がるらしい。観てみたい。
BGMの良かった。あの、イタリア語っぽい曲、有名だとは思うけど、それ以上に、すごく記憶に深く残ってる。どこで聞いたんだろう。
クラシックっぽい、何度も出てくるBGMも、雰囲気にあってて良かった。
あと、トニー・レオン、ちょーかっこいい。一途だし。
もし私だったら、世間体とか気にしない。


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