
2009年のエッセイ集。
タイトルの「問題があります」は佐野家に居候していたロシア人の口癖だったらしい。
佐野さんは本の虫で、幼い頃からずっと活字と共に生活をしてきた。
『アンナ・カレーニナ』は良い映画だと聞いたことがある。見たことないけど、読んでみたくなった。『カラマーゾフの兄弟』は光文社の新訳が読みやすいらしい。
幼い頃の北京や大連での思い出。貧しくて、兄弟は多くて、かっこいい父は好きだった、繋ごうとした手を払い除けられた母とは仲良くはなれなかった。
多彩で夭逝した兄が大好きだった。お腹が空いていて、なんでも食べたし、活字はなんでも読んだ。そんな佐野さん。
幼稚園は3日でやめ、小学生の時校庭で玉音放送を聞き(お母さんは「負けたの」や「勝ったの」の問いかけに「終わったの」と答えた)、日本に引き上げた。
佐野さんの本の読み方が好きだ。ただただ文字を追う。趣味が何もなくて、ただ読書を続けた。追った文字は記憶の中からどんどん消えてく。でもただひたすら追い続ける。
多分、私も似たような読み方をしている。ここに記していないと、読んだという事実さえ消え去ってしまう。
美術学校の生徒だった頃の思い出。女子寮でマリちゃんと一緒に「マッコール」という雑誌を読んだ思い出。昭和を生き抜いた女性は強い。
2度の結婚の話も、ポロポロと出てくる。23歳で結婚した最初の人。団地に引っ越して畳をのたうち回って喜んだこと。おぼっちゃまの谷川さんは、別荘まで持っていた。北軽井沢の別荘をきれいに直してあげたりするのである。
「わりとそのへんに……」
一緒にベッドに寝ころびながら、「ねえ、母さん、私もうくたびれたよ。母さんもくたびれたよね。一緒に天国に行こうか。天国はどこにあるんだろ」。
母はいった。「あら、わりとそのへんにあるみたいよ」。
自然に歳を重ねていくことに抗いもせず、ただ淡々と受け入れた。
ロシア文学をかなり読んでいたみたいだ。
絵本では『いやいやえん』が傑作だという。
夏目漱石と枕草子は好き。ボーヴォワールが大嫌い。体が丈夫すぎるから。
生涯ただ一冊と言われたら『ゾマーさんのこと』。
リルケから始まり、コーランも読む。
癌手術直後に「冬のソナタ」を見て、韓流ドラマに身を持ち崩したりもした。
Ⅳ特別付録が最高なのである。
マチコさん。ケチで欲張り。ガラガラ声でガニ股。
マチコさんに佐野さんの息子さんを3日間預けたエピソードなんて、最高だ。
別の本に載っていた、お茶っ葉を持ってきてくれて、一杯分だけ入れてくれたの、あれはきっとマチコさんだろうな。
もっといっぱい読みたくなる。


コメント