女のいない男たち / 村上春樹

村上春樹を久しぶりに読んだ。

多分このブログ遡っても最後に春樹が出てくるのは何年前かだろう。

特別好きなわけでも、嫌いなわけでもない。

でもとても興味を持っている。

なぜなら、彼の文章は、すんなりと溶け込んでくるから。

そしてとにかく久しぶりに読んだ感想は「めっちゃ春樹」だった。

やれやれ、あるいは、括弧の多用、たぶん、の多用。

何にも変わらない春樹がそこにはいた。

なのでとても嬉しくなった。

巷では「ドライブ・マイ・カー」が映画化されて、とても反響が良いらしく、アカデミー賞取っちゃうんじゃないかなんて噂されている。

どんな映画なのか観たいけど、原作があるなら先に読まなくちゃ、と思って買った。

さらりと読める短編集6作品。

変わった苗字の登場人物が多い。

面白かったのは、シェエラザード。柴田さんの「MONEKY」のために書いたらしい。

すごく深みのあるストーリーだった。

なぜ羽原は「ハウス」に閉じ込められているのか、なんて、野暮な説明はない。

物語はただただそこから始まる。「連絡係」の女をシェエラザードと心の中で呼ぶ。

ピンと来なかった。千夜一夜物語に関わる登場人物の名前らしい。

その人がいろんな話をする。それがとても興味深い。それで?それでどうなったの?と、私までも興味津々で聞いちゃう。

最後はちょん切れちゃうのだけど。

確かに、ヘミングウェイのいう「Men Without Women」よりも、「女のいない男たち」という表現がぴったりな作品ばかり。

みんなそれぞれの状況で、それぞれの理由で、女がいない。

でもそれがそんなに哀愁漂って悲壮的であるわけでもなくて、文学的に、女がいない。

美しくて、ずるいよ、と思うよ。

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