
そして私はまたうっかり引き寄せられてしまうのであった。
14歳の女の子二人が、刺激を求めて危険をおかすエロスな映画とのことで、軽い気持ちで見たのに。
さすがフランス映画。
主人公のディアーヌ(ソレーヌ・リゴ)は、性に興味があって、彼氏もいるのに、彼氏は初体験をしてくれない。ポルノを見て、お風呂でオナニーする。
母親はいない、父と弟と仲良く3人暮らし。
隣に越してきたジュリア(オドレイ・バスティアン)は早熟で、メイクもするし、両親が嫌いで、英語も喋れるし、初体験も済ませ、男遊びもお酒もなんでも楽しむ。
そんなジュリアに導かれ、大人な世界を知っていくディアーヌ。
お酒を知り、男が危険だということも知り、男を知る。
でもまだ子供で、パパが大好きで、パパに彼女ができると嫉妬もする。
そのパパがね、クリスチャン(ヴァンサン・ペレーズ)なんだけど、ああ、なんでだろう、私が失恋したばっかりの人に似ていて、観ているとどんどん似てきて、たまらなく愛おしくなるのだ。
だから私の心はずっとディアーヌだった。大人になりつつあるディアーヌをかわいいな、と思って見つつ、パパのことを必要以上に大好きな気持ちが、必要以上に分かってしまったのだ。
あんな素敵なパパ。ちょーかっこいい。大好き。
なのにさ、ジュリアがパパに手を出すの。もちろん14歳の子供なんだから、酔っ払ってキスされて、ダメダメ、っていうパパの反応は、ちょーリアルで。
その時私の心はジュリアに捕らえられて、キスはダメだって言われてもめげずに、ベッドでパンツを脱いで、それでもno noって断られて、そしてめげずに、そんなにぐいぐい行けば、マジ?パパ手に入っちゃうの?っていう気持ち。
本当に?と思いながら、見入っちゃった。
これはもう武者小路実篤の『友情』を読みながら、野島の気持ちから急に杉子に希望を見出した時と全く同じなのである。
そして、結局パパとセックスしちゃうジュリア。わあ、まじか、あっぱれ、と思った。
展開のテンポが良くて、察したディアーヌは、二人がセックスしているところにツカツカ歩いて行って、パパの頬を打つ。
そしてまたこの時、気持ちがギューンと引き戻され、もっと客観的な立場から、あんなふうに誘惑されてセックスしちゃう男なんて大嫌い、というところに辿り着いたのだ。
ジュリアは悪くないのよ、そういう子だから。
私がディアーヌだったら、もう絶対仲良くはできないけど、彼女を責めることはできない。
パパのことかっこいい、好きって、言ってたし、なにしろ、ジュリアはそういうサガだから。
でもパパは、私が恋をしていた人にそっくりで、パパに迫るジュリアに自分を重ねていたし、なんだかパラレルワールドのありえたかもしれない現実を見たような気になって、そしてこの現実は、ああはならなくてよかったのかも、と思えた。
最後は、一人で飛び出して車通りの多い道を渡って死にそうになるディアーヌを、3人はただただ叫んで見守る。ディアーヌは轢かれなかったけど、道路の向こうからこちらを睨んでいた。
私がディアーヌだったら、ちょー荒れるな。
もう絶対元には戻れないくらい道踏み外すと思うよ。
パパのこと嫌いになれるだろうか?分かんないけど。
どうしてこんな、胸を締め付ける作品ばかりに引かれてしまうのだろう。
引力だ。神様のお導きだ。
私の心が切り刻まれるくらい、好きに切って。痛めつけてちょうだい。
この恋心をどうしたらいいのか、まだ全然分からないから。
もっとちゃんと教えてちょうだい。


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