
音楽の先生が、V先生が本当に良い人だった。
彼がこの映画の華だった。
CODA: Children of Deaf Adult/s
なるほどお。知らなかった。
ルビー以外の3人は全員耳が聞こえない、そんな家庭で育った。父も兄も漁師。ルビーは手伝うけれど、学校もあるし、恋もしているし、歌を歌うことも好き。
家族はみんな耳が聞こえないから、ルビーの歌声も分からないし、拗ねて、応援してくれない。
でもV先生がとっても素敵で、全然甘やかしてくれないんだけど、真っ直ぐで、動物的で、ルビーに自信をつけて、未来を見せてくれた。
ルビーのコンサートを聴きにくる家族3人。周りに合わせて拍手をしたり、退屈そうにボタンをいじったり、手話で夕飯何食べる?なんて話をしている。
ルビーのデュエット曲が始まった時に、映画の中での音楽が消えて、無音になる。
(BECK状態)
こういう世界か。ずっとそうだったら、そういうもんだと思うかもしれないけれど、私は音を失うのは辛いなあ。と、当然のことを思った。
無音だったけど、空気感は伝わっていて、周りの人が泣いたりしているのを見て、ルビーはうまくやったんだと知る。
その夜、父親が「あの曲はどんなことを歌っていたの?」と聞いてくるので、歌詞の内容を手話で説明する。そんなありきたりな質問が、当然なんだけど、でも私にとっては全然想定外で、聞けば分かるでしょ、みたいなことを、自分の言葉で説明するのって、なんだかとても尊い瞬間だと思った。
そして父親のために目の前で歌う。唇を見て、単語は読み取れるのだろうか?
父親がルビーの喉に触れて、振動を感じる。今、そこで、声が生み出されていて、喉を、空気を揺らしていて、確かに広がっていること。自分の耳はそれを拾えなくても、指で触れて感じられること。めっちゃ、愛を感じるシーンだった。とってもよかった。
そうか、そういうふうにコミュニケーションを取るのか、と、学んだ。
ルビーがバークリーに行くことをあんなに反対していた3人は、急に応援してくれて、無事に合格。好きだった男の子ともドライな感じで別れるのもよかった。
いつも思うけど、アメリカ映画に出てくる、Going away for collegeのシーンは、本当にダメだわ。歌の歌詞でもきつい。なんかもう、想像するだけで悲しい。
日本でも大学進学で一人暮らし始めることなんてよくあるのにな。自分が実家だったからだろうか?まあ、私は実家を離れたくなくてそうしたのだけど。
あの、アメリカ人が、車にパンパンに荷物詰めて、運転して出ていってしまうのが、悲しいんだろうな。
wallflowerとか、トイ・ストーリーとか、BLINK 182とか、きっとどんな雑な描写でも私はくらってしまうのだろう。
ルビー以外の3人は、本当に耳が聞こえない役者たち。ろう者の役にろう者の俳優を抜擢する流れが、もっと広がればいいのに、なんて意見をよく見た。
出資者には反対されたらしいが、監督が強く主張したらしい。
アカデミー賞作品賞受賞。
Appleが配給権を獲得したというのでApple TV+で観れると思ってたのに、何度探してもなかったのは、日本では配信されていなかったらしい。どうりで。
海とか湖とか、自然が美しくてとてもよかった。
マサチューセッツ州らしい。
家も部屋も可愛くて、うらやましかった。


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