
30分くらいの映画。
大川裕明さんが、脚本・監督・主演。知らない人だった。
認知症のお母さんが踊る「よい・よい・よい・・」の変に安定したトーンが耳に残る。
兄はニート。耳でカサカサなるのでパニックで働けない。家では絵とか書いてる。
弟は会社をやめて戻ってきて、ラーメン屋でバイト。
母は兄のことを旦那だと思っているし、弟のことは認知できずに他人だと思っている。
なんでそんなゴミ貯まるの〜とか。そうか、持ち家がないと、その歳になってもずっと賃貸なのか。お父さんはどうしちゃったの。年金はどれくらい。貯金はどれくらい。
狭くて汚くて散らかった部屋を見ていると、もう、色々悲しくなってくる。
おそらく、お父さんが死んじゃって、お母さんが1人で住んでた家に、結局兄弟が2人とも戻ってきちゃったんだよね。
そんななか、膵臓がんで余命半年だと告げられる。
兄に伝えると「僕とお母さんを置いていかないで」と言い、一家心中をはかるため、ピクニックに出かける。
素直な母の言葉。幼い頃からずっと愛され続けてきたこと、兄の創造力を高く評価して、作家でもアーティストにでもなれる、というし、弟のことは本当に誇りに思って、そして心配してもいるようだった。
胸を打たれた2人は、母とともに一家心中なんてできない、と思う。
兄は頑張って働く。肉体労働だって満足にできないけど、何度怒られても大丈夫。
耳のカサカサが全部かき消してくれる。
母はヘルパーさんに面倒を見てもらえて幸せそう。
死に物狂いで頑張れば、絶望の淵からでも這い上がれるんだ。
悲惨で悲しいんだけど、希望があるストーリーだった。
無駄がなくて、エッセンスが凝縮されていて、素晴らしい。
最後のエンドロールで流れる、家族4人の思い出写真は、どれもみんな幸せそうだった。
なんで、子供が小さい頃は、家族みんな幸せなんだろうね?
子供が大きくなるにつれて、私は両親を悲しませたり心配させたり泣かせたことしか思い出せなくなる。
幸せな家族写真は、一体いつまで撮れるのものなのだろうか。


コメント