
夜、家でひとりで見るのはちょっと不気味でこわかった。
途中のアニメ絵になって気がおかしくなりそうなシーンは、「綾波レイ」と自分に言い聞かせた。
最後のCOCCOの歌は、圧巻だった。すべてを生暖かかく包み込んでくれた。
式日。儀式を執り行う日。
登場人物は主に2人。女の子と、カントク。2人の31日間を、出会った日から日を追って映し出す。
女の子は、精神が不安定。毎日「ねえ明日なんの日か知ってる?」「私の誕生日なんだよ」と言って最高の笑顔を見せる。
古いビル一棟に住んでて、中は、ちょー不思議空間。
大量の風鈴や、全体的に赤い家具や家電ばっかりで、それでいて無機質。
朝6時の時報を聞いて、毎日屋上に上がっては、自殺しなくて済んだ、と確かめる。
雨の日は精神不安定になる。
地下室は神聖な場所で入ってはダメ、水で浸しておかないとダメ、といい、もう衛生的に無理。
洋服と、メイクと、髪型が、毎日非常に凝ってる。
一方カントクは、映像系の仕事をやっているけど、ひと休み。ぷらりぷらり。
まあ、そりゃ、そうなるよね。
依存、されるでしょう。
一週間前〜数日前の監督の吐露が、非常に素直で、「死ぬほど愛されることに憧れていたけど、いざそうなると重たい」とか「最近ちょっと鬱陶しい」とか、そりゃそうだ。
そんなメンヘラ女。そりゃそうだ。別れるとか言ったら死ぬやつじゃん。
でも最後、あれー?うまくいっちゃった。
女の子のお母さんとも3人で会って、監督はずっと落ち着いていて、優しくて、面倒見が良くて、えー、そのままうまくいっちゃうの。
しんどいだけだよ、そんなの。監督が何かを得たり、救われているようには、一切見えないけれど、と思った。
どちらも気持ちも共感できないまま終わったが、でも、観て良かった。
いい映画だったと思う。
庵野秀明監督。
ずっと、場所はどこなんだろう、と思ってたけど、映画の最後で山口県宇部市だと知って、そりゃそうだ、庵野監督だもんな、と腑に落ちた。
あのカントクは、設定では東京でアニメで大成功したが、本当は実写を撮りたい、という、庵野監督自身を投影した役なんだそうだ。
演じているのは岩井俊二。『リリイ・シュシュのすべて』の監督。
演じているんだか、そのまんまなんだか。どうりでカントク役がしっくりきたわけだ。
そして知らなかったのは、この映画には原作があって、『逃避夢』という小説を藤谷文子が書いているんだけど、この映画の女の子を演じているのも彼女。えー!
女優と小説、どっちが先なの?すごい。
庵野さんはよく、式日を理解出来ないのは良い事だと言っていた。理解出来ると言うことは、孤独の漆黒や深さを分かっているということだと。。。私が思うに、大概の暗く悲しい映画は、自分にしか分からないと思わせてくれつつ、ある程度の皆んなにむけてやってくれてるんだなぁと。
— ayakofujitani (@ayakofujitani) 2022年8月5日


コメント