
なんだかんだ結局私はSFが好きで、日本やアメリカ以外のSFにも興味があるし、そして読んでみた結果、好きだな、と思った。
初めての中国のSF小説家。
まあ、ほぼアメリカ人なのであろうが、それでもアジア人にしか書けない見事なSF小説だった。
それは、日本人にも書けない、中国人の持つ世界観と非常に良く調和していた、と思う。
そして、早川書房はすごいな、と思ったよ。
紙の動物園、月へ、結縄、太平洋横断改定トンネル少史、心智五行、愛のアルゴリズム、文字占い師。
紙の動物園は、痛々しかった。アメリカに赴くアジア人のみが知る運命、私も知っていたから。
私は大丈夫だったけど、でも、そういうこともあるのだろう、と思うと、胸が痛くなった。
SFというにはあまりにもリアルな話で、SFだったのは、折り紙の虎だけだった。
月へ、は、ザ・中国だな、と思った。
結縄。これは秀逸。どうやって思い付いたんだ。縄を結んで記録を残すという。そしてそれを結び直して、後世に伝えるという。そうね、何度も撫でていたら、もけもけするもんね。そんなことしたことないのに、何だか身近に感じた。アジア人だからなのか。
太平洋〜。これもすごい発想。そうか、アメリカと地下で繋がるのか。ワクワクするテーマだったけど、アジア人のおっさんと、欧米の女、というのは、どうも無理な組み合わせである、私的に。
心智五行。ファーツォン。まさかの主人公が、最後には全て投げ出して飛び込むとは。
愛のアルゴリズム。これはしんどい。
文字占い師。泣いた。なんて話を最後に持ってくるんだ。中国と台湾は、闇が深い。まさか、あの、文字占い師のお爺さんが、殺されてしまうなんて。中国共産党は恐ろしい。リリーは幼いゆえに無知だったのだ。絶対、そんな話を父親の前でするべきではなかったのに。胸が痛い。
でも、読んでよかった。
又吉が勧めていたなんて知らなかった。2015年。
だいぶ時間が経ってしまったけど、私の手に届いた。


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