阿Q正伝・狂人日記 / 魯迅

魯迅って、覚えさせられたなあ。ねえ?

突然中国文学ブームが来た時に、買ったのだ。ブームと言っても、ケン・リュウと魯迅だけだったと思う。

中身は全く同じではないが、ほとんど魯迅の第一作品集『吶喊(とっかん)』と同じである。

吶喊。突撃に移る前に、士気を高めるために、指揮者の合図に応じて声を大きく張り上げること。その叫び声。

1918年作の「狂人日記」から、1922年の作品を収め、1923年に出版された『吶喊』。

中国という大きな国で、魯迅はどんなふうに生きていたんだろう。

1881年に生まれ、1902年には日本に留学して医学を学んでいる。と同時に、西洋文学や哲学に触れ、人間の本当の幸せは、医学などからは得られないもの、文学だ、と考えるようになった。それゆえの、吶喊、なのである。

私みたいに医学を知らない人間が「文学!文学!」と叫ぶのとは、まるでわけが違う。

『阿Q正伝』
冒頭の、「正伝」というところに落ち着くまでの思索する件からすでに良かった。
自分でもない、親族でもない、赤の他人の阿Qさんにまつわる話。
変わり者、だけど、ちょっとかわいそう、でこんな人は今の日本にもたくさんいる。
阿Qさんはポジティブだったので、負のオーラがないけれど、大都会の雰囲気に押されると、一気にやられる。
魯迅はこの小説により国民性に潜む悪を表現したのだという。
全くもって、今の時代にも当てはまるお話。自分以外の誰かを見下さないと、やっていられないのである。

『狂人日記』
ただの気狂いの日記である。
家族や周りの人が、人肉を食いたがっている。自分も食われるのだろう。という話。

『小さな出来事』
自分が乗っていた人力車が、当たり屋のババアに出会ってしまい、ババアがわざとらしく倒れる。
無視すりゃあいいのに、車夫はババアを起こし、警察に出向く。
そんな車夫にそっと銅貨を送る。

『から騒ぎ』
生まれた時の体重が名前になっていてそれで呼び合うのが面白かった。
新たに位につく人次第で、辮髪が必要になったり不要になったりするのだ。興味深い。
最後はなんともなくて良かった。ただのから騒ぎ。
一般人の生活が垣間見えて良かった。

『故郷』
中学のすべての国語教科書にこれが載っているらしいが、読んだ記憶がひとつもない。
家を売り払って、その土地にさよならを告げるために、里帰り。
そこで出会う、懐かしい記憶、人々、その子孫。
やめてくれー。私は大阪に帰るたびに、そういう、やるせない気持ちになる。

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