百年の孤独 / 伏尾美紀

年末年始に実家に帰省した時に、母親と近所に出かけた。

なんてことない、母は新年用のお箸を買いたい、とか、私は9Vの電池が必要だ、とか、そんな買い物だ。

私が生まれた時から存在し続けるその建物は、かつてはビブレで、それがサティになって、今ではイオンになった。

私は今でもビブレと言ってしまう。

中学生の頃は、毎日ビブレにいたと言っても過言ではない。

放課後もそこにいた。何をするでもない、文房具コーナーをぶらぶらしたりした。たれぱんだが、新キャラで、売り場の多くをたれぱんだが占めていた。でかい、ポーチみたいな筆箱が流行っていた。私たちは、化粧コーナーにも興味津々だった。メイベリンのマスカラは1000円くらいで、当時みんな持っていた。お金も無いので、女子トイレに併設されていた化粧コーナーで、ずっと喋っていたりした。プリクラも撮った。一体いくら注ぎ込んだのだろう。週末なんか、一日中ビブレにいて、一日中プリクラを撮っていた。

高校生になって、あんまり行かなくなって、大学生になってからは、たまに鍋パをする時に足りない食材があると原チャでブーンと買いに行った。

名前が変わっても、中身は一緒で、親友がアルバイトしていたケンタッキーは今もあるし、当時の彼氏と別れ話をした数時間の沈黙の苦痛のスタバも健在だ。変わったのは私だけ。

各フロアの天井が低くなったように感じる。こんなに窮屈だったけ。多分、あの頃の私は今より数センチ小さかったからそう思うのだろうか。

全体的に古びて暗くなったように感じる。それは多分事実で、壁が黄ばんだり、照明もなんか違って、あの頃みたいに商品も魅力的に見えない。

ただ必要だから、買いに来た、それだけ。ここで週末の1日を潰せる気はしない。

楽しかったなあ、あの頃。幸せだったんだ、とても。

各フロアをぶらりぶらりと母親と歩いた。見たこともない、聞いたこともない、チェーン店ではなさそうな本屋があるフロアの広くを占領していた。かつては、よく見知った名前の書店だったのに。品揃えは一流で、空いていて、東京ではどんどん潰れていく書店を思い出して、ありがたくぶらぶらした。

そして購入したのがこの本。引き込まれて、グググと読んでしまった。

タイトルの通り、昭和から100年に渡る未解決事件の犯人を追う物語だ。

警察の執念。世代を超える執念。と、入念なバトンタッチ。

本人たちは正義と意義を持って取り組んでいるのだろうが、一市民からすると、そんな昔の事件を追っかけてないで、今の世の中と向き合ってちょうだい、と、思うのかもしれない。

100年間(満州も含めたらそれ以上)を描いているので、時代も場所も、たくさん。登場人物はもっとたくさん。

その度に、これは誰だっけ、と、冒頭の人物一覧ページを振り返りながら読んだ。

しかも、え、そいつがそいつではない・・・?という大混乱。

これはもう、日本版『テスカトリポカ』だ。

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