
高校生の秋月は、雨の日は学校をサボって新宿御苑で靴のデザインを描く。
そこにいる女性は朝からチョコをつまみにビール飲んでる。
彼女の正体は秋月の学校の雪野先生。生徒にいじめられ学校に行けず、先輩先生とは付き合ってた?不倫?の関係にもあったらしい。
ある日秋月は雪野を見て、先生だったと知り、その先生が今日やめると知る。
想いを伝えるが、先生は実家に帰るから、と振られる。
秋月を追いかけて、泣きじゃくる雪野。
秋月は夢を追いながら、雪野との文通は続く。
万葉集の短歌を引用して愛を語ったのは素敵でした。
上の句に対して下の句が応えるんだ。
そんなこと、すっかり忘れていたけど、日本らしい奥ゆかしい文化だな。
秋月くんはイケメンに描かれてよかった。
雪野は27歳らしくて、私が27歳の時はもうちょっとしっかりしてたけどなーと思った。
高校生との恋愛なんて無理だっただろう。
雪野くらい不安定で、俺が守ってあげなきゃタイプだから、なのでしょうね。
ヒロインには感情移入できなかった。
なぜ秋月が靴にそんなに惹かれるのか、がちょっと薄い気もした。
昔母親にプレゼントしたから?
プレゼントした後の母親のリアクションは描かれてなかった。
ただプレゼントを覗き込んで嬉しそうな秋月の顔だけ。
しかもその母親は若い恋人作って家を出て行ってしまったんだよ?
靴を履いてさ。
靴を贈るのに、なんとなく、履いて出て行って(逃げて行って)イメージを与えるから良くない、なんて風潮があるよね?
結婚式の披露宴に参加するのにも、サンダルは良くないって。
爪先が空いてる=妻が先に旅立つようなイメージを与えるからって。
おやじギャグじゃん、って思うけど。
靴というものは、実用性だけじゃなくてそのイメージでもかなり大きな役割を持ってる。
私は昔、友人と一緒に、非常に切羽詰まったヒリヒリしたムードの時、青信号が点滅した横断歩道を、友人が渡ろ!と言ってスニーカーで駆け出して、一方の私はヒールを履いていて、彼女みたいにスマートに走り出せなくて悔しかった。
ヒールを履いていたことが悔しかったんじゃなくて、サッと走り出せなかったこと。
それ以降、大事なのは、ヒールを履いていてもいつだってすぐに走り出せる魂なんだと思うようになった。
ヒールは諦めたくなかった。
秋月くんが自分のために最初に作ったモカシンの靴はめちゃくちゃ愛らしかった。
雪野先生の家を出て、階段の踊り場で「僕はやっぱり先生のこと嫌いです」って言い出すシーンは、ああ、お子様、と思ったけど、あれはあれで若くて彼らしくてよかったのかもしれない。
雪野先生は裸足で駆け出していた。
肝心な時に本当に必要なのは、ヒールを脱ぎ捨てて裸足で駆け出す魂なのかもしれない。


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