
通勤中にずっと駅で広告を目にしてて、「ある1日だけで遡る、ふたりの6年間」なんてコピー見たら、それだけで涙が溢れそうになって、私は自分の胸にナイフを立てるつもりで、この映画を見なくちゃいけないと思った。
見終わった後は、悲劇のヒロインみたいに寒空の下を泣きながら笑いながらタバコ吸いながら帰るんだろう、と思った。
けど、全然そんなことなかった。
泣かせる映画じゃなかったよ。少なくとも私は泣かなかった。
本当に、ただ、ちょっと思い出して、思い出を遡るだけ。
カレンダーはいつも7/26で、テルオの誕生日で、そこを基準に過去に戻っていく。
コロナになったこの2年間、葉ちゃんはタクシードライバーでマスクをしている。
その前の年以前は、そんなことない。
もうダメだと思って別れる間際の誕生日、プロポーズを夢見て幸せだった誕生日、水族館で遊んだ誕生日、出会いの誕生日、ただただ、思い出を淡々と。
結局どうして別れたのかは描かれてなくて、未練があるようでもない。
ニューヨークの屋敷が葉ちゃんの新恋人(そして夫)として出てるんだけど、彼が出てくるシーンだけ、映画館で笑いが起きたの、面白かった。
うん、思い出しても、面白いんだけど。
なんか、あんまり演技してない、そのまんまでよかった、屋敷。
私は胸にナイフを立てに行ったけど、ナイフは私を傷付けなかったし、私の胸は傷付かなかった。
もう本当に大丈夫なんだ。
こういうふうに、多分あの2人も感じているんだ。
ただ、幸せで大切だった6年半。
終わってしまったけど、いつでもどこでもちょっとだけ思い出しちゃう、そんな歴史なのだろう。


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