
終戦に関する日本史の本を読んでて、彼の名前を知ったのだと思う。
気が付けばいつからか、私のAmazonの「あとで買う」リストに入っていた。
「あとで買う」リストには、学生時代から欲しかったCDが数百枚も入っていて、あとは近年、本当に後で買おうと思って追加したらしい書籍などが名を連ねていた。
ある夜酔っ払って、もうこんなCDは買わなくても手に入る時代になった、Spotifyで探してただハートマークを押せばそれが(Spotifyの月会費を払い続ける限り)自分のものになる、と気付き、一連の作業を行った。
要は、永遠に買う気がないような「あとで買う」リストを一掃したかったのだ。
そしてただひたすら、欲しかったCDをSpotifyで検索し、ハートマークを付けては「あとで買う」リストから削除し、を続け、挙げ句の果てに書籍はもう全て「いま」買ってしまいましょう、となって購入した書籍。
全然知らないけど、白洲次郎さん、とことんハンサムである。
私が彼の名を知ってこの本を「あとで買う」リストに入れた経緯は、日本史上において彼のしたことが偉大であって、もっと知りたいからだと思ったことは間違いないが、それにしても非常に色男である。
髪型も、目元も、口元も、ちょーかっこいい。
そしてこの本を読んだ後で分かったことは、彼は男気もあって、まっすぐで愚直で、しかもボンボンであり、戦時中の日本において海外生活たっぷりという、とても魅力的な男性で、もしリアルタイムで出会っていたら、どんなに歳の差があっても大好きになっていたと思う。
運命は残酷で、彼は私が生まれる1年前に死んだ。幸か不幸か神は巡り合わせてくれなかったのだ。私たちを。
男らしい人だ。
自分のことを、政治にも詳しくないし、俺は百姓だという。かっこいい。
確かに政界の人ではなかったが、そのぶん彼の話す終戦前後の混乱した日本の政治批判は非常に説得力がある。
先見の明がある人だ。
1919-1928年をイギリスで過ごしたというのだから、なんだかもう、夢の夢の夢の夢のまた夢のような人生を送った方である。
実家が倒産して日本に戻ってきてからも、もうイギリスで培った彼のアイデンティティは滅することない。
終戦前に食糧難を見越して、都会から離れ自ら自給自足の生活を送った。
電力会社の長として勤めても現場主義の人だった。
一番驚いたのは、今の日本国憲法を終戦時にアメリカから押し付けられた時、それを翻訳するチームに携わっていたことだ。
おそらく、当時の日本ではちゃんと英語の意味をふまえたうえで、直訳ではない翻訳をできる人なんて少なかったのだろう。
しかも国や政治に関わることだ。英語が話せる、だけじゃ、到底無理だ。
そんななかで選ばれた白洲次郎、その後彼曰く、あんな押し付けられた憲法は改正するべきであって、ちゃんと日本人が作った自らの憲法を作るべきだ。
翻訳した本人が言うのであるからよっぽどそういうことなのであろう。
特に、今の憲法の悪いところを2点あげている。「不幸にして重大なものである」としたのが「内閣の首班は国会議員ではなくてはならないというくだり」もう一つは「内閣の構成員は過半数は国会議員ではなくてはならぬ」と言う点。
なるほど今の日本の与党と野党が小学生みたいな言い合いを続けている様子を白洲次郎さんが見たら、びっくりして死んでしまうのではないか。
バカ言ってんじゃないよ、と一掃してほしいものである。
翻訳に携わった人が、「変えてもいいじゃん」と言ってる(しかも戦後直後から)今の憲法は、全然、何をみんな意気地になって守っているのだろうかと確かに思う。
曖昧な表記が多すぎるし、今の時勢に適応しないことだってあるだろう。
世界最古の憲法「なのだから」という理由で改憲に反対している人は、本当に生きている化石だと思う。脳が無い。
彼のもっと詳しいことは青柳恵介氏が書いた『風の男 白洲次郎』という書籍があるらしいので、こちらもすぐに購入しようと思っている。
あと、町田には、夫妻が暮らした武相荘があるらしいので、嫉妬しながら訪れてみたいとも思う。
そうだった、この本のタイトルにもなっているプリンシプルについて。
これは、彼の言う通り非常に翻訳しづらい。
その気持ちも分かる、し、そのうえで彼が主張していることも分かる。
なるほど、白洲次郎はプリンシプルがある人であった。
果たして私は・・・と考える。果たして現世の人々は・・・とも考える。
いつどこでどうやって失ってしまったのだろうか。
もしくは、日本人には元来備わっていなかったのかもしれない。(それなら強要するには無理があるが)
でも欲しい、持っていたい、せめて自分のプリンシプルを。
とはいえ素敵な男性だ。
Wikipediaで、鹿内信隆は「白洲さんは悪い人じゃないけど、女にもて過ぎたのがいかんですね」と話している、と言う文章を見つけた。
そうなのであろう。


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