
All the Sad Young Man
いいなあ。
彼が描き出す世界はきらびやかで美人薄命という感じがしてとても好きだ。
それでもフィッツジェラルドの生涯は大赤字で、
読者が好むような短編を書きまくって生活の足しにしていたのだからすごい。
あたしはまんまとはめられているのだろうか。
いや違う、きっと彼はそういう人なのだ。
生粋の。
生まれ持った世界と才能を自由に操る鬼才なのだ。
いいなあ。
好きなのは、「子どもパーティー」と「温血と冷血」。
話がシンプルでいい。
オチがちょっと意外なのもいい。
春樹はフィッツジェラルドの文章から得るものが多すぎて、
それこそ技法などはすべて学びたいと言っていたが、
本当にそういう、盗んでしまいたいな、っていう技法ってあるんだな。
このシリーズの本は、とくに紙の色がやさしくて、
蕩けたバタークリームみたいな、
さらになんとなく余白も多い気がして、
ページそのものが美しくて、
ほのかによい匂いもしてくるので、
読んでいるのはまさに幸福そのもの。
あいかわらず『アメリカン・サイコ』を原書で読んでいる。
でも今日中に、また日本語の文庫本、一冊は読み終えよう。


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